「内定の返事は、金曜日の17時までにお願いします」
ところが、もう一社の最終面接は来週。内定先にも魅力はあるけれど、選考途中の会社を見ずに決めるのは惜しい。待ってほしいと頼んで、せっかくの内定を失ったらどうしよう。
内定をもらえたのはうれしいはずなのに、今度は返事に悩んでしまう。日程がずれると、気持ちまで急かされますよね。
まず、今ある予定を並べてみましょう。内定先の回答期限と、もう一社の「結果が分かる見込み」を確認し、両方に日程を相談する。 ここから始めてみてください。
内定先には、返事を待ってもらえないか。選考中の会社には、面接や結果連絡を早められないか。片方の返事を待ち続けるより、同じ日に相談を始めた方が、残された選択肢を確かめやすくなります。
もちろん、希望どおりに調整できるとは限りません。メールの書き方だけでなく、延長できないときに何を基準に決めるかも、一緒に考えておきましょう。
内定保留はいつまで?目安より先に、指定された期限を確認する
「あと何日くらいなら待ってもらえるのだろう」。まずはそこが気になりますよね。
マイナビ転職の解説では、保留期間の目安として約1週間が挙げられています。ただし、どの会社でも1週間は待ってもらえるという約束ではありません。
先に、内定のメールや担当者の案内を見直してみてください。「今週中」なのか、「金曜日の17時」なのかでも、使える時間は変わります。期限がなければ、お礼と一緒に聞いておきましょう。
内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。入社の判断に向けて条件を確認したく、回答期限と回答方法を教えていただけますでしょうか。
指定された日までに判断できそうなら、その期限を忘れないよう残しておけばよいでしょう。間に合わない見込みなら、期限を迎える前に延長の相談が必要です。
お願いのメールを送っただけでは、期限が変わったことにはなりません。 相手から了承された日付・時刻を確認してから、予定を組み直してください。
最終面接の日まで待ってもらっても、足りないことがある
「最終面接は月曜日だから、月曜日まで待ってもらえれば大丈夫」。そう考えたくなるところですが、結果もその日に届くとは限りません。
連絡が木曜日の予定だったら、せっかく延長してもらっても、もう一度相談することになってしまいます。下は、説明用に作成した架空の日程です。
| 確認すること | この例で分かっていること |
|---|---|
| A社:内定への回答期限 | 今週金曜日の17時 |
| B社:次の選考 | 来週月曜日に最終面接 |
| B社:結果が分かる時期 | 来週木曜日の見込み。確約ではない |
| B社:まだ分からないこと | 内定となった場合、条件の提示も同日に受けられるか |
この場合、A社に月曜日まで待ってもらうだけでは、結果を比較できません。木曜日に内定の連絡が来ても、給与や勤務地などの条件がまだ分からない可能性もあるでしょう。
そこでB社には、面接日、結果連絡、内定の場合の条件提示まで聞いておきます。その見込みをもとに、条件を読んで判断する時間も含めて、A社へ希望日を相談する流れです。
たとえば翌週金曜日までの延長が必要でも、A社が受け入れられるかは別の話。「その日までに何が分かるのか」を先に確かめておくと、必要な期間を説明しやすくなります。
内定先と選考中の会社、両方に連絡する
直接応募なら採用担当者へ。エージェント経由なら、まずその求人を担当するエージェントへ相談してみましょう。
A社とB社で別のエージェントを使っている場合は、双方への連絡が必要です。一方に話せば、もう一方にも事情が伝わるとは考えないでください。どちらにも回答期限と現在の選考状況を共有しておきます。
リクルートエージェントの解説でも、他で内定が出て迷っている場合は、回答期限を担当者に伝え、選考を早められるか相談する進め方が紹介されています。
内定先には、理由と希望日をセットで伝える
他社の選考が理由だと、言いにくく感じるかもしれません。だからといって、事実ではない家庭の事情を作ると、日程が変わったときに説明しにくくなります。
志望順位まで伝える必要はありません。感謝を添えて、判断に時間が必要な理由と、いつまで待ってほしいかを簡潔に相談しましょう。
以下は当サイトで作成したメールの文例です。会社名・日付・選考状況は、ご自身の事実に置き換えてください。
件名:内定への回答期限についてのご相談(氏名)
株式会社○○
採用ご担当 ○○様お世話になっております。○○職の選考でお世話になりました、△△です。
このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございます。現在、他社の選考も進んでおり、その結果を含めて検討したうえで、入社についてお返事したいと考えております。
恐れ入りますが、回答期限を○月○日17時まで延長いただくことは可能でしょうか。他社からは○月○日頃に結果をご連絡いただく予定です。日程に変更が分かった場合は、速やかにご相談いたします。
ご調整が難しい場合も、その旨をお知らせいただけますと幸いです。お手数をおかけしますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
氏名・連絡先
結果の日が未定なら、「○日頃に結果が出る予定」とは書けません。分かっていることだけに直しておきましょう。
他社の結果連絡日は現在確認中です。現時点でお約束できる結果日はありませんが、○月○日まで回答をお待ちいただくことは可能でしょうか。結果が間に合わない場合も、ご了承いただいた期限までに私の判断をお伝えします。
この文を使うなら、その期限で判断するつもりがあることが前提です。「結果が出るまで待つ」と「○日までに返事をする」では、相手にお願いしていることが変わります。
選考中の会社には、結果を急かすより日程を相談する
もう一社に伝えるのは、他で内定が出ていることと、その回答期限。「○日までに内定を出してください」という要求ではなく、調整できる範囲を尋ねてみましょう。
件名:今後の選考日程についてのご相談(氏名)
株式会社○○
採用ご担当 ○○様お世話になっております。○○職に応募しております、△△です。
今後の選考日程について、ご相談がありご連絡しました。他社から内定をいただいており、回答期限が○月○日17時となっています。貴社の選考も引き続き受けたうえで判断したいと考えております。
現在予定している○月○日の面接を早めることは可能でしょうか。私は○月○日午前、○月○日午後であれば対応できます。
あわせて、面接後の結果連絡と、内定となった場合の条件提示の時期について、現時点での見込みを伺えますと幸いです。ご調整が難しい場合は、その旨をお知らせください。
ご無理のない範囲でご検討いただけますと幸いです。
氏名・連絡先
すでに最終面接を終えているなら、面接を早める段落を削り、次のように聞けばよいでしょう。
他社への回答期限までに、結果と条件提示をいただくことは可能でしょうか。難しい場合は、現時点での見込みを伺えますと幸いです。
連絡の予定日を過ぎている場合も、まずは状況確認から。連絡が遅いことだけでは、不採用と判断できません。
エージェントへ依頼するなら、文面に応募企業名を添え、「企業への確認をお願いできますか」と伝えてみてください。期限が今日や明日なら、メールだけで待たず、案内されている電話などの連絡手段も使いましょう。
電話で日程が決まった場合は、あとで短いメールに残しておくと、聞き違いを防ぎやすくなります。
担当者に、どこまで任せられるかを聞いておく
私自身、どこまでサポートしてもらえるのか、ある程度知っておきたかったと感じています。
日程の相談でも、「担当者に伝えたから、あとは全部進むだろう」と思うと、確認が抜けるかもしれません。任せられる範囲は、最初に聞いておきたいところです。
今回、企業への期限延長や日程調整は、どこまでお願いできますか。私から直接連絡する必要がある先と、確認結果をご連絡いただける見込みを教えてください。
担当者が調整を引き受けてくれても、希望する日程になるかを決めるのは企業です。また、案内された期限が企業への回答期限なのか、担当者への連絡期限なのかも確かめておきましょう。
担当者から企業へ伝える時間が必要な場合もあるため、「○日までで大丈夫」という言葉の指す相手までそろえておくと、行き違いを減らせます。
相談したあとは「了承」「未回答」「延長不可」を分ける
待ってもらえたら、変更後の期限を残す
「承知しました」と返信が来た。これで延長してもらえた、と安心したくなりますよね。
ただ、事情を理解したという意味なのか、希望日に了承したのかが、文面から分からないこともあります。迷ったら、日付と時刻を添えて確認してみてください。
ご返信いただき、ありがとうございます。回答期限を○月○日17時まで延長いただけるという理解でよろしいでしょうか。念のため、日程を確認させてください。
了承を得たら、「ご調整ありがとうございます。○月○日17時までにお返事いたします」とお礼を返せば、新しい期限が文面に残ります。電話で決まった場合も同じです。結論が早く出たなら、期限いっぱいまで待たずに連絡して構いません。
返事がない間は、元の期限を消さない
メールを送ると、ひと仕事終わった気持ちになるかもしれません。それでも、了承の返事が来るまでは、カレンダーの締め切りを元のまま残しておきます。
期限が近づいても返事がなければ、担当者や案内された連絡窓口へ確認しましょう。「延長の可否がまだ確認できていないため、ご連絡しました」と短く伝えれば、問い合わせの目的は通じます。
不在で連絡がつかない場合も、元の期限までに現在の意思と確認依頼を文面で残してください。ただし、連絡を残したことだけで延長が認められるわけではありません。
延長できないと言われたら、まだない内定と比べ続けない
いちばん苦しいのは、この場面かもしれません。B社には行きたい。でも、採用すると言われたわけではない。手元にあるA社の内定を、期待だけで手放してよいか迷います。
そんなときは、一度だけ問いを変えてみてください。
「B社が不採用だったとしても、A社には入社したいか」
A社だけを見ても、転職で解決したい問題が解消し、譲れない条件を満たしている。そう考えられるなら、A社への入社を検討する理由はあります。
反対に、勤務地や仕事内容など、どうしても受け入れられない条件があるなら、その問題は入社後にも残ります。「内定がなくなるのが怖い」という気持ちと、働き続けられるかどうかは、分けて考えたいところです。
条件がまだ曖昧で決められない場合は、A社へ聞くことを絞りましょう。内定を承諾するか迷うときの判断表を使い、分かっていることと確認が必要なことを並べる方法もあります。
辞退して活動を続けるなら、B社も不採用だった場合の生活まで考えてみてください。在職中なら現職を続けられるか。退職済みなら、生活費と活動期間にどれだけ余裕があるか。
比較するのは、「すでに内定を得ているA社」と「B社を含めて活動を続ける選択」です。まだ届いていない内定を、確定した選択肢として数えないようにしましょう。
「ひとまず承諾して待つ」は、期限延長とは違う
返事に困ると、「いったん承諾して、B社の結果が出てから考えよう」と思うかもしれません。ただ、承諾は、まだ検討中だと伝えることとは違います。
採用内定は、それまでのやり取りなどによって、労働契約が成立したと判断される場合があります。「入社前だから」「紙に署名していないから」という理由だけで、単なる仮予約だとは考えないでください。茨城労働局の内定に関するQ&Aでも、内定の法的な扱いは事案ごとに検討すると説明されています。
一方、企業が延長を認めないことと、成立した内定を自由に取り消せることも別の話です。「保留を頼めば取り消される」とも、「相談だけなら絶対に大丈夫」とも言い切れません。
すでに入社を承諾していて変更を考えているなら、この保留メールをそのまま使わず、伝えた内容・書類・入社日を整理して早めに相談しましょう。企業とのトラブルになった場合は、総合労働相談コーナーを利用できます。
今日、送る前に確認しておくこと
まだ迷っていても、日程の相談は始められます。メールを書く前に、次の情報を手元にそろえてみてください。
- 内定先の回答期限:○月○日○時。誰に、どう回答するか。
- 選考中の会社の予定:次の面接日、結果連絡と条件提示の見込み。未定は「未定」のまま。
- 内定先へ相談する希望日:○月○日○時。その日までに何を確認したいか。
- 調整できない場合:今ある条件で入社したいか。見送って活動を続けられるか。
期限を延ばすだけでは、迷いが晴れないこともあるでしょう。だからこそ、待ってもらった時間で何を確かめるかまで決めておきたいと思います。
まず内定先へお礼と相談を伝え、同じ日に、選考中の会社にも日程を聞いてみる。今日はそこまででも前に進めます。返ってきた答えを並べてから、次の判断をしていきましょう。
参照情報の確認日:2026年10月3日。日程の事例とメール文例は当サイトで作成しています。


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