「また不採用だった。どこが悪かったんだろう」。通知の短いメールを読み返しても、理由は分からない。書類を直すべきか、応募先を変えるべきか、手が止まってしまうこともありますよね。
不採用が続いても、あなたの経験に価値がないと決まったわけではありません。募集人数やほかの候補者、企業側の事情も関わるため、結果だけでは原因を特定できないのです。
それでも、自分で確かめられることはあります。活動全体を「うまくいかない」でまとめず、止まっている段階を一つ選ぶ。そこから次の応募で変えることを決めていきましょう。
最初に、「どこで止まっているか」を分ける
書類が通らない人と、内定条件が合わない人では、見直す場所が違います。最近の応募を振り返り、近いものを選んでみてください。
| 困っていること | 先に見るもの | 次に試すこと |
|---|---|---|
| 応募したい会社が見つからない | 必須条件と、検索に使う職種名 | 条件を一つずつ見直し、求人の変化を見る |
| 書類選考が通らない | 応募要件と、書類の冒頭 | 要件に合う経験が読み取れるよう一箇所直す |
| 面接から先へ進まない | 聞かれた質問と、自分が答えた内容 | 答えに詰まった一問を、具体例で練習する |
| 内定は出るが条件が合わない | 応募前に伝えた希望と、実際の提示条件 | 生活上外せない条件を早めに確認する |
| 忙しくて活動できない | 応募数、面接日程、毎週使える時間 | 同時進行を減らし、無理のない予定を組む |
応募件数が少ない段階では、通過率だけを細かく比べても判断しにくいでしょう。まず「何を変えて、どんな反応だったか」を残すところからで十分です。
まだ応募前で、転職するかどうか自体に迷っている方は、転職活動が不安なときの整理法も確認してみてください。
書類が通らないときは、応募要件と最初の数行を照合する
職務経歴書を何度も直しているのに通らないと、全部書き直したくなりますよね。その前に、応募先が必要としている経験と、書類で伝えている経験が合っているかを見てみましょう。
経験が足りないのか、書類から読み取れないのか
たとえば求人に「顧客との納期調整」とあるのに、書類には「営業事務全般」とだけ書いてある。実際には担当していても、採用側がそれを読み取れないかもしれません。
一方、必須の資格や業務経験がないなら、文章の見せ方だけで埋めることはできません。「同等の経験でも応募できるか」を問い合わせるか、要件に合う別の求人を探すほうがよい場合もあります。
求人票の必須条件に線を引き、経験がある項目の横に、書類のどこへ書いたかをメモしてみてください。見つからなければ、その部分が最初の修正候補です。
数字を足す前に、自分の担当範囲を具体的にする
「成果を数字で書く」と言われても、売上や改善率を持っていない仕事もあります。無理に数字を作る必要はありません。
次は説明用の例です。「問い合わせ対応を担当」を、「取引先からの納期の問い合わせを受け、製造担当へ確認し、回答期限までに連絡していた」と書き換える。担当した相手、作業、確認先を示せば、仕事の中身が見えてきます。
確認できる件数や期間があれば、補足しても構いません。ただし、チーム全体の成果を自分一人の実績にしたり、推測の改善率を載せたりしないようにしましょう。
面接で止まるときは、言えなかった一問から振り返る
「もっと自信を持って」と言われても、それだけでは次の準備が難しいと思います。面接が終わったら、記憶の残っているうちに次の三つを書いてみてください。
- どんな質問だったか
- 自分は何と答えたか
- 追加で何を聞かれたか
相手の表情だけで「この回答が不採用の原因」と決めつけなくても大丈夫です。振り返る目的は、原因を言い当てることではなく、次に説明し直せる材料を作ることです。
「なぜ転職するのか」は、不満をきれいな言葉に隠さなくてよい
残業がつらい、給与に不満がある、人間関係で困っている。そう感じること自体が悪いわけではありません。ただ、不満だけでは次の会社で何を望むかが伝わりにくいものです。
たとえば残業が理由なら、説明用の形としては「現在の勤務では帰宅が遅い日が続いています。業務の進め方を相談しましたが調整が難しく、働く時間を見直したいと考えました」のように、事実と希望を分ける伝え方があります。相談していないなら、その行動を付け足さないでください。
「成長したい」「チームワークを大切にしたい」と言い換えるだけで終わらず、どんな仕事や勤務なら続けられるかまで考えておきたいところです。
声に出して一度だけ説明してみる
答えを丸暗記すると、質問の形が変わったときに詰まることがあります。「伝えたいこと・一つの場面・自分がしたこと」の三つだけをメモし、一度声に出してみましょう。
録音するなら自分の練習を録り、質問に答えているか、説明が長くなりすぎていないかを聞き直してみてください。面接本番を無断で録音する必要はありません。
質問ごとの準備は、転職面接の完全ガイドも使えます。
内定条件が合わないなら、応募前の確認を早める
選考を頑張ったあとで、希望より低い給与を提示されると落胆しますよね。求人票の年収幅と、自分への提示額が同じとは限りません。
生活に必要な最低限の給与、通勤できる範囲、勤務できる曜日などは、選考の早い段階で確認する方法があります。すべてを交渉するのではなく、「この条件が満たせないと入社できない」という範囲を先に伝えてみてください。
年収だけでなく、基本給、固定残業代、賞与の前提もそろえて比べましょう。内定後は、内定承諾を決める前の確認ポイントの比較表に、現職と内定先を書き込む方法もあります。
30代・40代だからと、見直しを年齢だけで終わらせない
不採用が続くと、「年齢のせいでは」と考えてしまうかもしれません。ただ、理由が開示されていない選考について、こちらから原因を断定することはできません。
30代でも40代でも、管理職を求める求人と、担当業務の経験を求める求人では期待が違います。役職の有無だけでなく、任される仕事に合う経験を説明できているかを確認してみましょう。
異業種への応募なら、業界の知識として新たに学ぶことと、すでに経験した調整・確認・指導などを分けると整理しやすいでしょう。できないことを隠すより、経験がつながる範囲を正確に示したいところです。
一人で見直しにくいとき、相談相手に渡すもの
「書類を見てください」だけでは、どこを見てもらうかが広くなります。相談するなら、応募した求人票、送った書類、困っている段階の三つをそろえてみてください。
エージェント経由の応募なら、企業から伝えられる範囲の理由を聞ける場合があります。理由が得られなくても、「求人の要件に対して、書類で伝わっていない経験はありますか」と相談できます。
どこまで添削や面接対策を受けられるかは、相談先に確かめておきたいところです。転職経験のある知人、ハローワークなど、別の視点で見てもらう方法もあります。助言はそのまま採用せず、自分の事実や希望に合うかを確かめましょう。
活動を休むことも、やり方を変えることの一つ
メールを開くのもつらい、現職や生活に支障が出ている。そんなときに応募数だけを増やしても、負担が積み重なるかもしれません。
新しい応募をいったん止め、進行中の選考だけを整理するという方法があります。辞退や日程変更が必要なら、放置せず担当者へ連絡しましょう。
眠れないなどの不調が続く場合は、転職の対策だけで抱えず、医療機関などにも相談してください。不安の整理をしたいときは、転職活動が不安なときに考えることも参考になります。
私の場合、不安を消すより「すること」に置き換えた
私自身は40歳のとき、コロナ禍の2020年に自動車部品の設計職からキャリアアドバイザーへ異業種転職しました。「この年齢で、未経験の業界で、本当に決まるのか」という不安はありました。
私がしたことの一つは、在職中に活動を続けることでした。「決まらなければ今の会社に残ればいい」と思える状態を保てたのは、私には助けになったと思います。
もう一つは、不安を作業に置き換えることです。「書類が通らないかもしれない」なら応募先ごとに職務経歴書を見直す。「面接で話せるか不安」なら想定問答を書き出す。結果は応募3社、書類通過2社、内定1社でした。
この件数で誰でも決まる、という話ではありません。不安がなくなったわけでもありませんでした。それでも、今日することが決まると、手を動かしやすくなったのです。
在職中の予定調整については、働きながら面接日程を調整する方法にも体験を書いています。
次の応募で変えることを、一つだけ決めてみる
最後に、次の欄をメモへコピーしてみてください。
- いま止まっている段階:
- 確認できた事実:
- まだ分からないこと:
- 次に変えてみること、一つ:
- 振り返る日:
職務要約の一段落を直す、答えに詰まった一問を練習する、応募前に勤務条件を聞く。最初はそのくらいで構いません。
不採用の理由を全部、自分の不足で説明しなくても大丈夫です。変えられる部分を一つ試し、反応を見て次を考える。疲れているなら、まず休む予定を決めるところからでも始められます。
相談先を探したい方へ:厚生労働省「こころの耳」の相談窓口案内


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