転職理由で多いのは?厚生労働省データと面接での伝え方

転職の基礎知識

転職活動では、「ほかの人はどんな理由で転職しているのか」「面接で本音をどこまで話してよいのか」と迷うことがあります。

この記事では、厚生労働省の公表データから実際に多い離職理由を確認し、事実を隠さず、面接担当者が判断しやすい転職理由へ整理する方法を解説します。

厚生労働省データで見る転職者の離職理由

2026年6月時点で公表されている厚生労働省「令和6年雇用動向調査」では、転職入職者が前職を辞めた理由を男女別・年齢別に集計しています。

「その他の個人的理由」など内容を特定できない回答を除くと、男女ともに、職場の人間関係、収入、労働時間・休日などの労働条件、会社の将来性が主な理由として挙げられています。

離職理由 男性 女性
職場の人間関係が好ましくなかった 9.0% 11.7%
給料等収入が少なかった 10.1% 8.3%
労働時間、休日等の労働条件が悪かった 8.6% 12.8%
会社の将来が不安だった 7.4% 5.1%
能力・個性・資格を生かせなかった 3.8% 3.7%
仕事の内容に興味を持てなかった 4.4% 3.6%

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況・転職入職者の状況」(2026年6月12日確認)

この調査から、収入や人間関係、働き方への不満をきっかけに転職すること自体は珍しくないと分かります。ただし、面接では不満の内容だけでなく、入社後に何を実現したいかも確認されます。

本音を隠すのではなく、判断材料へ整理する

転職理由を無理に前向きな言葉へ置き換えると、深掘りされた際に説明が不自然になります。重要なのは、本音を隠すことではなく、次の4項目に整理して伝えることです。

  1. 事実:現在の職場でどのような状況が続いているか
  2. 対応:改善するために自分が何を試したか
  3. 転職理由:なぜ現在の職場では実現が難しいと判断したか
  4. 志望先との接点:次の職場で何を実現し、どう貢献したいか

この順番で話すと、他責だけに見えることを避けながら、転職の必要性と応募先を選んだ理由を説明できます。

転職理由別の回答例

給与・評価制度への不満

避けたい伝え方:給料が安く、評価されないので辞めたいです。

整理した例:担当顧客の継続率改善に取り組み、チーム内でも成果を共有してきました。一方、現在の評価制度では担当範囲や成果が評価へ反映されにくく、中長期的な役割拡大が難しいと判断しました。今後は、成果指標が明確な環境で顧客支援の経験を活かし、より大きな責任を担いたいと考えています。

残業・休日などの働き方

避けたい伝え方:残業が多く、楽な会社へ行きたいです。

整理した例:繁忙期の業務分担や作業手順の見直しを提案し、担当業務の効率化を進めました。しかし、恒常的な人員不足によって長時間勤務が続き、今後も改善の見通しを立てにくい状況です。限られた時間でも継続して成果を出せる環境で、業務改善の経験を活かしたいと考えています。

人間関係・組織風土

避けたい伝え方:上司と合わないので辞めます。

整理した例:部署間で情報共有が少ない状況に対し、定例会や進捗表の導入を提案しました。ただ、意思決定の方法や協働体制を変えることが難しく、顧客への提案速度にも影響が出ています。部門を越えて連携しながら課題を解決できる環境で、調整力を活かしたいと考えています。

仕事内容・キャリアの方向性

避けたい伝え方:今の仕事に飽きました。

整理した例:現職では既存業務の運用を担当し、安定稼働と手順改善に取り組んできました。今後は、その経験を活かして業務設計や改善企画にも担当範囲を広げたいと考えています。現部署では役割変更の機会が限られているため、改善企画を担える環境への転職を検討しています。

会社の将来性への不安

避けたい伝え方:会社が危なそうなので辞めたいです。

整理した例:市場環境の変化に対し、既存顧客への提案改善など、自分の担当範囲でできる対策を進めてきました。一方、事業方針の見直しにより担当分野の縮小が決まり、今後専門性を高める機会が少なくなると判断しました。これまでの経験を活かしながら、成長領域で長期的に専門性を高めたいと考えています。

回答を作るためのテンプレート

次の空欄を埋めると、自分の転職理由を整理できます。

現職では【担当業務・役割】を担当し、【実績・改善したこと】に取り組んできました。一方で、【客観的な状況】が続いています。【改善のために試したこと】を行いましたが、【現在の職場では実現が難しい理由】から転職を検討しています。今後は【応募先で実現したいこと】に取り組み、【活かせる経験】を活かして貢献したいと考えています。

面接前のチェックリスト

  • 事実と感情を分けて説明できる
  • 前職・現職の悪口だけになっていない
  • 改善のために行動した内容を説明できる
  • 退職理由と志望動機につながりがある
  • 応募先でも同じ問題が起きないか確認している
  • 転職理由を1~2分で説明できる

応募先へ確認したい質問

同じ理由で再び転職することを避けるには、面接で応募先の実態を確認することも必要です。

  • 今回のポジションを採用する背景を教えてください。
  • 入社後6か月で期待される成果は何ですか。
  • 評価項目と評価の頻度を教えてください。
  • 配属先の残業時間や繁忙期について教えてください。
  • 部署内・部署間ではどのように情報共有していますか。

まとめ

収入、人間関係、労働条件、会社の将来性などを理由に転職することは珍しくありません。面接で大切なのは、不満を隠してきれいな話を作ることではなく、状況、改善行動、転職の必要性、応募先で実現したいことを一貫して説明することです。

回答を暗記するのではなく、自分の事実に合わせて整理し、応募先でも同じ問題が起きないかを確認しながら転職活動を進めましょう。

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