求人票の休日欄にある「会社カレンダーによる」。よく見かける表現ですが、「結局、土日は休めるのか」「祝日は出勤なのか」が分からず、手が止まったことはないでしょうか。
土曜日は毎週休めるのか、祝日は出勤なのか。家族との予定を考えると、合計日数だけでは決めにくいですよね。まずは、会社が勤務日と休日を割り振った予定表が別にある、と考えてみましょう。
「会社カレンダーによる」は、会社独自の勤務予定表に従うという意味で使われる表現です。一部の土曜日を勤務日にして大型連休を長くする会社もあれば、祝日に働き、別の日に休む会社もあります。日数と休む日を分けて見ると、読み違いを減らせます。
応募を決める前に、土曜出勤の日数と、その日がいつ分かるかを確かめてみてください。年間休日数そのものの考え方は、年間休日数ごとの働き方と求人票の見方にも整理しています。
求人票の「会社カレンダーによる」とは?
会社カレンダーには、出勤日や所定休日、夏季・年末年始休暇などが日付ごとに示されます。ただし、工場と本社などで別の予定表を使う会社もあるでしょう。見せてもらうときは、自分の配属先に適用されるものかも聞いておきたいところです。
たとえば「休日:日曜、祝日、その他(会社カレンダーによる)」という記載なら、日曜・祝日に加え、その他の休日が勤務表で決まると読めます。例外的な出勤日があるかも含めて、次の内容を照合してみましょう。
- 土曜日は毎週休みか、一部だけ出勤か
- 祝日に例外的な出勤があるか、休日欄と備考に食い違いがないか
- 夏季・年末年始休暇は何日あるか
- 平日の会社指定休があるか
- 配属先によって休日が変わるか
- 年間休日は合計何日か
休日欄の一文だけで、土曜出勤が多い会社とは判断できません。実際の日付を別の勤務表で確かめる入口として読んでみてください。
会社カレンダーで最初に見る5項目
カレンダーを見せてもらえたら、休日の合計だけでなく、次の順番で確認すると働く姿を想像しやすくなります。
- 土曜日の色分け:毎週休みか、月1回程度の勤務か、繁忙期に集中するか
- 祝日の扱い:国民の祝日が休日か、通常勤務日か
- 連休の長さ:ゴールデンウィーク、夏季、年末年始に何連休あるか
- 平日の指定休:土曜勤務と入れ替わる平日休みがあるか
- 自分の配属先への適用:全社共通か、工場・店舗・部署ごとに異なるか
「年間休日は120日です」と聞いても、家族と週末を過ごしたい人には、まだ知りたいことが残ります。平日休みが都合のよい人なら、一部の土曜勤務を受け入れられるかもしれません。会社カレンダーに自分の予定を重ねると、合う働き方か見えてきます。
年間休日120日なのに土曜出勤があるのはなぜ?
土曜出勤があっても、年間休日120日は成り立ちます。365日の年なら所定労働日は245日。その120日の休日を、土日だけでなく、平日の指定休や長期休暇などにも割り振れるためです。
たとえば、重複する日がないものとして、次のような会社カレンダーを考えてみます。
| 休日の内訳(例) | 日数 |
|---|---|
| 毎週日曜日 | 52日 |
| 土曜日のうち休日になる日 | 42日 |
| 平日の祝日・会社指定休・夏季・年末年始 | 26日 |
| 年間休日の合計 | 120日 |
この例では、土曜日が52日ある年に10回出勤し、休日の合計は120日です。ただ、土日を休みたい人にとっては、合計が合うだけでは十分ではありませんよね。自分の予定と重なる10日かどうかも確かめておきましょう。
たとえば、子どもの行事が土曜日にある人と、平日に通院したい人では、同じ120日でも使いやすさが変わります。休日の多さに加えて、必要な日に休めるかも比較してみてください。
厚生労働省の「就労条件総合調査」では、年間休日総数を、就業規則や労働契約などで労働義務がないとされた日の合計と説明しています。年次有給休暇はこの日数に含めません。求人ごとに独自の表現が混じる可能性はあるため、「120日に有給休暇や計画年休を含めていますか」と確認しておくと安心です。参考:厚生労働省「就労条件総合調査 用語の説明」
会社カレンダーによる求人で土曜出勤が発生する5パターン
土曜日に働くと聞いただけでは、毎月の予定は分かりません。最初から勤務日なのか、休日に追加の出勤があるのか。まずは次のどれに当たるかを見てみましょう。
土曜日が最初から所定労働日になっている
「第1土曜日は出勤」「繁忙期の一部の土曜日は勤務日」。このように、年度の予定表で最初から出勤日を決める形があります。
この場合、土曜日は通常の勤務日です。本来の休日に急に呼ばれるケースとは区別しておきましょう。別の時期にまとまった会社休日があるなら、その日付も合わせて確かめると全体が見えます。
祝日のある週に土曜日を勤務日にする
「月曜が祝日だった週は土曜出勤」というカレンダーもあります。祝日を休みにして週の稼働日数を調整する考え方ですが、土日祝休みだと思って入社すると、生活上のギャップは小さくありません。
特に注意したいのは、求人票に「週休2日制(土日)」とだけあるケースです。「完全週休2日制(土日)」とは限りませんし、備考欄に小さく「会社カレンダーによる」と書かれていることもあります。
シフトの中に土曜日勤務が含まれる
店舗、医療・介護、カスタマーサポート、インフラ運用などでは、年間休日120日でも休みの曜日が固定されていないことがあります。土曜日に働き、平日に休むため、合計の休日数は変わりません。
シフト勤務なら、土曜出勤の有無だけでなく、月に何回土日を休めるか、連休になるかを聞いてみてください。希望休の締め切りとシフト確定日が分かると、予定の立てやすさも考えられます。
研修・棚卸し・全社会議の日だけ出勤する
研修や棚卸しのために、年に数回だけ土曜勤務を設ける例も考えられます。その日を勤務日とし、別の日を休みにすれば、年間休日120日との両立は可能です。実際の日付と参加対象者を、予定表で確認してみてください。
一方で、「自由参加」と聞いていた研修に実質的な参加義務がある、参加しても勤怠を付けられない、といった話なら別の確認が必要です。名称が研修でも、参加の指示や業務との関係によって扱いが変わり得ます。個別の状況は、会社の人事や労働局の相談窓口などで確認してください。
本来は休日だが、業務都合で出勤を頼まれる
納期やトラブルへの対応で、本来休みだった土曜日に出勤する場合です。予定された勤務日とは分けて、直近の回数、連絡の時期、別日に休めるか、賃金の扱いを確認しましょう。
「代わりに休めます」と聞けたら、いつ休んでいるかまで尋ねてみてください。制度の名前だけでは、忙しい時期にも実際に休めるかは分からないためです。
一般に、事前に労働日と休日を入れ替えるのが「振替休日」、休日に働いた後で別の休日を与えるのが「代休」です。言葉は似ていますが、休日労働や割増賃金の扱いに違いが生じることがあります。参考:山梨労働局「代休?振替休日?」
「土曜出勤=違法」とは限らないが、休日数だけでも判断できない
年間休日120日という数字だけでは、労働時間の運用まで適切だとは判断できません。土曜日を含めて週に何時間働くか、どの日を休日としているかも関わります。
労働時間は原則として1日8時間・週40時間以内、休日は少なくとも毎週1日、または4週間を通じて4日以上というルールがあります。ただし、一定期間を平均して週40時間以内にする変形労働時間制などもあるため、「ある週に土曜日まで働いた」という事実だけで法的な結論は出せません。参考:厚生労働省「労働時間・休日」
割増賃金も「土曜日だから一律に同じ」ではありません。おおまかな整理は次のとおりです。
| 土曜日の位置づけ | 確認すること |
|---|---|
| 会社カレンダー上の所定労働日 | 通常の勤務日として扱われる。週の労働時間や変形労働時間制の有無を確認 |
| 会社が定めた法定外休日 | 勤務により原則週40時間を超えた部分などは、時間外割増の対象になり得る |
| 法定休日 | 休日労働として35%以上の割増賃金が必要 |
法定労働時間を超える勤務や法定休日の勤務には、原則として36協定の締結・届出も関係します。実際の扱いは、どの曜日を法定休日としているか、会社独自の手当があるかでも変わるため、就業規則や賃金規程で確認してください。参考:厚生労働省「土日の手当に差があります」
1年単位の変形労働時間制では、繁忙期の勤務日を増やし、閑散期の休日を増やす年間カレンダーが組まれることがあります。求人票に「変形労働時間制(1年単位)」とあれば、土曜出勤の回数に加えて、忙しい時期の連続勤務や1日の所定労働時間も確認したいところです。
制度の一般的な内容は、厚生労働省「変形労働時間制の概要」で確認できます。自分の応募先に制度が正しく適用されているかは、求人票だけで判断せず、就業規則や労働条件通知書の記載を確認してください。
「会社カレンダーによる」は休日欄の周辺まで読む
休日欄に加えて、年間休日数、勤務時間、備考欄まで続けて読んでみましょう。離れた場所に書かれた例外が、自分の予定に関わることもあります。
| 求人票の表現 | 想定される働き方 | 追加で確認すること |
|---|---|---|
| 年間休日120日/完全週休2日制(土日) | 原則として毎週土日休み | 「年数回の土曜出勤」の記載があるなら、その週のもう1日はいつ休むか |
| 年間休日120日/週休2日制/会社カレンダー | 一部の土曜日が勤務日の可能性 | 直近の土曜出勤日数、会社カレンダー |
| 年間休日120日/日曜・その他 | 土曜勤務と平日休みを組み合わせる可能性 | 月別休日数、連休、希望休 |
| 1年単位の変形労働時間制 | 繁忙期と閑散期で勤務日数が変わる可能性 | 土曜勤務が集中する月、1日の勤務時間 |
| 休日出勤あり | 所定休日に業務が発生する可能性 | 直近1年の実績、振替・代休、手当 |
年間予定が早く分かるなら、会社カレンダーは予定を立てる助けにもなるでしょう。現物を見られない場合も、土曜出勤の日数や長期休暇について説明をもらえるか、尋ねてみてください。
私は求人を確認するとき、「原則」「一部」「場合あり」の後ろを見ます。土曜出勤が年2回なのか月2回なのかで、生活への影響は違うからです。全員参加か当番制かも含めて、曖昧な言葉を具体的な予定に置き換えて考えています。
応募前から内定後までの確認手順
応募前:まず3つだけ確認する
- 土曜出勤は年間何日か
- その日は所定労働日か、本来の休日への出勤か
- 120日の内訳に有給休暇を含めていないか
この3点を、自分が受け入れられる休み方と比べてみてください。エージェント経由なら担当者へ確認を頼む方法もあります。応募前に分からない部分は、面接の質問メモに残しておきましょう。
面接:働くサイクルを聞く
「基本的には休みです」と答えられると、どこまで聞き足してよいか迷うかもしれません。生活リズムを具体的に考えたいことを添えて、日数や予定表について尋ねてみましょう。
「年間休日120日の内訳を確認したいのですが、今年度の土曜出勤は何日予定されていますか」
「土曜出勤の日は会社カレンダー上の勤務日でしょうか。それとも、別日に振替休日を取る運用でしょうか」
「配属予定の部署では、直近1年間に予定外の休日出勤が何回ほどありましたか」
「差し支えなければ、当年または前年の年間勤務カレンダーを拝見できますか」
一度に全部聞く必要はありません。土日休みが欠かせないなら出勤日と例外を、年に数回なら調整できるなら日数と通知時期を優先してみてください。
内定後:求人票ではなく書面で照合する
内定を受けた後は、求人票、会社カレンダー、労働条件通知書または雇用契約書を並べます。求人票は応募時の重要な情報ですが、個別の労働契約の内容を最後に確認する書面とは役割が異なります。
厚生労働省の説明では、募集時の求人票と、労働基準法第15条に基づいて個人へ書面で明示する労働条件は、区別して考えるものです。休日や勤務時間について説明と書面が食い違うなら、承諾前に理由を聞き、回答をメールなどに残しておきましょう。参考:厚生労働省「求人票の条件と実際の条件が違う場合」
土曜出勤がある求人を避けるべきか
年に数回の土曜勤務なら受け入れられる、という方もいるでしょう。たとえば研修日が早く決まり、その分を夏や年末年始の休みに充てる働き方なら、生活に合うかもしれません。ここで挙げているのは、判断を考えるための例です。
一方、土曜出勤が直前まで分からず、別の日に休む予定も立たないとしたら。家族と週末を合わせたい人には、同じ120日でも負担が大きく感じられると思います。
| 希望する生活 | 優先して見る項目 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 家族や友人と週末を合わせたい | 土曜出勤の日数と日付 | 回数だけでなく、学校行事や繁忙期と重なるか |
| 平日休みも歓迎 | 連休の有無とシフト確定日 | 飛び石の休日ばかりにならないか |
| 旅行や帰省を重視 | 夏季・年末年始の連休日数 | 土曜出勤と引き換えに長期休暇が取れるか |
| 収入や仕事内容を優先 | 年間所定労働時間と残業 | 月給だけでなく、実際に拘束される時間で比較する |
「土曜勤務は年に何回までなら調整できるか」。まず、自分の中で考えてみませんか。回数だけでは決められないなら、「一か月前には日程を知りたい」など、必要な条件を添えても構いません。
少し慎重になったほうがよい説明
次のどれかがあるだけで問題企業と決めつける必要はありません。ただし、追加確認をしても説明が曖昧なままなら、入社を急がないほうがよいでしょう。
- 会社カレンダーによると言われたが、カレンダーも土曜出勤日数も見せてもらえない
- 「ほとんどありません」とだけ言われ、直近1年の実績が出てこない
- 年間休日120日の内訳を足しても120日にならない
- 計画年休を含むかどうか、担当者によって回答が変わる
- 求人票では完全週休2日制なのに、面接では毎月土曜出勤があると言われる
- 休日出勤後の代休は取れると言われたが、取得期限や実績が分からない
- 参加必須の研修を「自己研鑽」として勤怠の対象外にしている
その場で答えられなくても、確認して返答してもらえるなら待つ方法があります。説明の食い違いが残る場合は、ブラック企業を求人票・公的データ・面接で見抜く方法も使い、ほかの条件と合わせて考えてみてください。
よくある質問
年間休日120日で月1回の土曜出勤はあり得ますか?
あり得ます。土曜日を年間12日勤務日にしても、その分を平日、祝日、夏季、年末年始などの休日で補い、合計120日にするカレンダーは組めます。数字のつじつまだけでなく、12日がいつ決まり、ほかの休日がどこに置かれるかを確認してください。
土曜出勤はすべて残業扱いになりますか?
一律ではありません。土曜日が最初から所定労働日なのか、本来の所定休日なのか、法定労働時間を超えるのか、変形労働時間制が適用されているのかなどで考え方が変わります。個別の賃金計算については、労働条件通知書や就業規則を確認し、必要に応じて労働局などへ相談してください。
完全週休2日制なら土曜出勤はありませんか?
「完全週休2日制」は、毎週2日の休日があるという意味で、休む曜日までは保証しません。「完全週休2日制(土日)」と明記されていれば原則は土日休みですが、同じ求人に「土曜出勤あり」とも書かれている場合は、出勤する週の休日がいつになるのか、予定された勤務日なのか例外的な休日出勤なのかを確認しましょう。
「年間休日120日以上」と「土日祝休み」は同じですか?
同じではありません。年間休日は合計日数、土日祝休みは休日の曜日を示す表現です。年間休日120日でも土曜勤務がある会社はありますし、土日休みでも祝日は勤務日という会社もあります。
年間休日に有給休暇を含めてもよいのですか?
厚生労働省の統計上の年間休日総数には、年次有給休暇を含めません。ただ、求人広告で「年間休暇○日」「計画年休を含む」など別の表現が使われることはあります。「年間休日」と「年間休暇」を同じだと思わず、内訳を確認しましょう。
会社カレンダーは見せてもらえますか?
共有できる範囲は企業によって異なります。現物を出せない場合は、今年度の土曜出勤日数や大型連休の日付を聞く方法もあるでしょう。代わりの説明で、自分に必要な情報を確かめられるかが判断の助けになります。
自分が休みたい日を、カレンダーに入れてみる
まず、カレンダーに自分が休みたい日を入れてみましょう。毎週の土曜日なのか、帰省する時期なのかで、会社に聞く内容は変わってきます。
次に求人票を開き、その予定と両立できるか分からない点を一つだけ質問にします。「今年度は、どの土曜日が勤務日ですか」でも十分です。内定後には、回答と契約時の書面を照合しておきましょう。
休日数の大きさだけで、無理に答えを出さなくて構いません。自分に必要な休み方を確かめてから、応募や承諾を決めていきましょう。
休日だけでなく、給与・残業・仕事内容まで同じ基準で比べたい場合は、正社員の求人票を比較する7つの確認ポイントも参考にしてください。


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